10月30日(日)午後3時から5時、堀川町のシャモニーモンブランで「魁」の例会を開催しました。
読書会は松本清張の「或る小倉日記伝」です。時代は戦中、場所は小倉、主人公の田上耕作は、神経性の障害で、片足が麻痺しており、口を開いたまま言葉を上手く喋れない。母の内職とわずかの家賃収入でつつましく暮らしていた。そんな耕作が森鴎外の小倉に赴任していた時の日記、小倉日記(当時紛失していた)を探し求めるが、志を得ないまま亡くなる物語である。
耕作は知的障害者ではなく、学校では優秀な成績を収める。又、周囲には善意の多くの知人がいた。それにはホッとさせられる。又、美しい耕作の母は不憫な息子のために生きていくことを決意し、様々な再婚話にも耳を貸さない。
耕作の死後、小倉日記は一族によって発見される。「耕作にとってそれが幸か不幸か分からない」の最後の言葉が重く響く。涙なしでは読めない作品である。




